自衛官候補生の『任満金』を徹底解説!受け取り方で数十万円の違いが!!

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こんばんは!家計防衛隊長 佐々木拓也です。

秋も深まってきて、自衛官候補生の皆さんの中には任期満了が迫っている方も多いのではないでしょうか。

自衛隊を続けて曹を目指すか・・・それとも新しい道を探るか・・・どちらの道を選ぶにせよ任期満了と共に自衛官候補生に支給される手当があります。

そう、それが任満金。今日はこの任満金について、詳しく解説します!

目次

任満金とは

任満金とは、自衛官候補生が1任期終了毎に受け取ることのできる退職金のようなものです。正式名称を『特例の退職手当』と言いますが、『任期満了時にもらえる退職金』というような意味で略して『任満金』と読んでいます。

では、1任期ってどれくらいなのかというと、実は自衛官候補生の任期は陸と海空で微妙に違います。

陸海空1任期の違い

陸自:1任期2年
海自・空自:1任期目3年、2任期目以降2年

この年数毎に任期満了となり、任期を継続して曹を目指すか再就職を目指すかを決めることになりますが、『自衛隊を続ける続けない』に関わらず任満金は支給されます。

任満金の支給額

任満金の支給額は陸と海空で微妙に違います。

その違いを1〜4任期まで一覧表にまとめましたので、まずは確認してみましょう。

陸自の場合

海自、空自の場合

いかがでしょうか。俸給が同じと仮定すれば、1任期目は陸自よりも海空自の自衛官候補生の方が金額が多くなります。

「え!なにそれずるい!!」と思った方も多いと思いますが、任満金の計算式を見るとその謎が解けます。

任満金が海空自の方が多い理由

任満金が海空自の方が多い理由は、その計算式を見れば分かります。

任満金の計算式

任満金=(退職時の俸給/30)×支給日数

まずは退職金の俸給を30で割ることで、『退職時俸給日額』を算出します。

それに対して下記の『支給日数』を掛けます。

任期ごとの支給日数

早速気づいた方も多いと思いますが、1任期目の支給日数が海空のほうが多くなっています。これは最初に説明した1任期の長さによる違いです。

つまり陸自の支給日数は2年分、海空自は3年分であるということですね。

この支給日数の差が、陸自と海空自の1任期目の人満金の差に現れていることになります。イメージできましたか?

受け取り方で数十万円の差が出る

実は任満金は2つの受け取り方が選べます。

一つは1任期毎に受け取る方法。

もう一つは、最後にまとめて受け取る方法です。

『最後にまとめて受け取る』というのは、例えば1任期目は受け取らずに次に持ち越して2任期目以降の任満金とまとめて受け取るという方法です。

ほとんどの人は『1任期毎』に受け取っているはず。少なくとも私の知る限りでは『最後にまとめて受け取る』という選択をした人は知りません(笑)

この受け取り方の違いで、実は支給される任満金の総額に差が出ます。これも一覧表にまとめましたので、こちらをご覧ください。

受け取り方の違いによる総支給額の差

左が1任期毎に受け取った場合の支給額です。右が最後にまとめて受け取った場合の支給額で、一番右端の金額が受取額の違いによる差額です。

2任期目まではさほど変わりませんが、3任期目まで待った場合は20万円前後の差が出てきますね。これは大きい。

この差が出る理由は2つあります。

① まとめて受け取る場合は、1任期ごとの支給日数が合算される
② 任期を重ねると俸給自体が上がるから

任満金の計算式を思い出してみましょう。

任満金の計算式

任満金=(退職時の俸給/30)×支給日数

まずは支給日数ですが、待った分だけ支給日数が合算されるというのは・・・

例えば陸自の場合1任期目の支給日数が87日で、2任期目が200日となっているので、合算すると287日となります。

それに対して任期を重ねて上がった俸給を掛け算することができるので、結果的にまとめて受け取った方が総支給額が多くなるというカラクリです。

おわかり頂けただろうか・・・

任満金の注意点

私は『曹学』という任満金を支給されない制度で入隊したので、任満金をもらっている同期がとても羨ましかった記憶があります。

しかし、この仕事をするようになってから、任満金は長い目で見ればいいことばかりでは無いことが分かってきました。

一番大きな注意点が『定年退職金が減る』ということ。

実は、任満金を受け取った分だけ退職金計算時の勤続年数がマイナスされます。

先日の動画でも触れましたが、退職金の計算は

退職金の計算式

退職時の俸給 × 勤続年数に応じた支給率 + 階級による調整額

となっており、勤続年数がマイナスされると支給率が下がるので退職金も下がるという仕組みになっています。

つまり、任満金は『将来の定年退職金の先取り』なのです。

例えば18歳〜54歳までの36年間勤務して定年退職を迎えた二人の隊員がいたとしましょう。

一人は曹候補生で入隊し任満金は支給されていないAさん。

もう一人は自衛官候補生で入隊し、任満金を2回受け取ったBさんとしましょう。

俸給も勤続年数も階級も同じだとした場合、任満金の有無は退職金にどれくらいの差を生むのでしょうか?

その結果がこちら。なお、俸給は42万円で勤続は36年、定年時の階級は曹長とします。

任満金受け取りによる退職金の差
  • 曹候補生出身のAさん(任満金0回):約2143万円
  • 自衛官候補生出身のBさん(任満金2回):約1970万円
  • 差額:約173万円

任満金を受け取った分、これだけの差が付きます。

とは言え、任満金の支給額は2回合わせて200万円前後だと見積もられるので、任満金を受け取ったBさんの方がトータルで不利とは言えません。

しかし、若い時に受け取る任満金は、車や飲み代などに使ってしまうという方が多いのではないでしょうか。いわゆる『あぶく銭』ですね(笑)

トータルではあまり変わらないとしても、あぶく銭として消えてしまったという前提で考えれば(笑)、定年後のこの差は決して小さくありません。

任満金を支給された場合は、全部と言わずともある程度将来を見据えて慎重に使うことをオススメします。

どんなことも早く知っておくほど有利!

自衛官候補生で入隊するなら、あらかじめ任満金の額を知っておくことは人生設計を立てる上で重要です。これだけの金額をただのあぶく銭として消してしまっては、本当にもったいない。

任満金をどう活かせるかが、その後の人生にとって大きな大きな岐路であることは間違いないでしょう。

もし今の知識を持った私が任満金をもらったら、ほとんど運用に回します。20代前半でこの金額を元手に運用できたら相当強いです。

もちろん若い頃は思いっきり遊ぶことも大事だと思います。私も若い時は毎日のように夜の街に繰り出していましたからね(笑)ただ、少しでも良いから将来のために活用してほしいと強く願います。

その少しの意識の差が将来大きな差になりますし、未来の奥さんにすごく喜ばれますよ。

ぜひぜひ任満金を運用の第一歩に活用してみましょう。きっとそれが将来の大きな大きな資産になりますから。

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