こんにちは!家計防衛隊 佐々木です。
ブログ読者さん(or視聴者さん)から、退職金についての質問を頂いたのでお答えします。まずは質問から見ていきましょう。
頂いた質問
元自衛官です。退職後の再就職先として自衛官をお客様とした商売を行う会社に努めております。
退職金の変遷(過去10年ほど)について、ざっくりとした解説をお願いします。
増えたのでしょうか、減ったのでしょうか?それとも退職金の計算そのものには変化がなく、俸給表の改定に伴う変動くらいなのでしょうか。
就職先の営業サイドから問い合わせを頂いたのですが、現役当時、自分の俸給すら関心がなかったので困惑しております。
お忙しいところ、恐縮ですが、ご教示ください。
質問ありがとうございます。お待たせしてしまいましたがお答えします。
結論
結論から言うと…ここ10年で退職金は減り続けています。
しかもビックリするほど減っています。知らない方が幸せかもしれないと思うくらい減っています。
では、具体的にどれくらい減ったのか解説しますね。
退職金の計算方法
まず大前提として、退職金の計算式を知っておく必要があります。この計算式が分かれば、退職金がどのように増減するのかが分かるからです。
退職金の計算式はこうです。これはテストに出るので必ず覚えておくように!
退職時の俸給 × 勤続年数に応じた支給率 + 階級による調整額
複雑な計算がされているかと思いきや、意外と単純な計算式ですよね。
俸給、支給率、調整額の内、退職金の増減に大きな影響を及ぼすのは「勤続年数に応じた支給率」です。
国はこの「支給率」を増減させることによって退職金額を調整します。
もちろん俸給の増減の影響もありますが、支給率に比べれば些細なものです。俸給は民間で言えば基本給ですので、大きく動かすわけにはいきませんからね。調整額もそうそう動くものでもありませんし、支給率に比べれば影響は軽微です。
ということで「退職金の歴史=支給率の歴史」とも言えますので、次は支給率の変遷を見て見ましょう。
支給率の変遷と金額への影響
ここ10年ほどの間に支給率が大きく動いた時期がありました。
それが平成25年1月。まさに地殻変動と言ってもいいくらいの大きな変動でした。この時期を起点に支給率とその具体的影響を表にまとめたのがこちらです。
平成25年1月から支給率は下がり始め、激変緩和措置として1年半かけて約10も下げました。
退職金の計算は「俸給×支給率」なので、支給率が10も下がるということが金額にどれくらい影響を与えるのか。ここまで読んで下さった方ならご想像頂けるかと思います。
念のため退職金額の具体的な推移もまとめましたので、こちらもご覧ください。支給率の低下が甚大な影響を及ぼしているのがお分かり頂けると思います。
定年時の俸給40万と55万円の2パターンで試算しました。
俸給が同じでも5年違うだけで400万円以上の差に…。改めて見るとこの差はエグいですね。
当時、退職員の支給率が下がる直前に「教員が一斉に退職」みたいなニュースが流れていたのを覚えています。自衛官は依願退職すると若年給付金がなくなってしまうからか、そういった話は聞きませんでしたね。
私も当時はまだ現役でしたが、そういったことに関心を持つ前だったので全然覚えていないんですよね。もし当時の状況をご存じの方がいらっしゃれば教えて下さい。
これから公務員の退職金はどうなるのか
「これから公務員の退職金はどうなるのでしょうか?」という質問をよく頂くのですが、正直言って「上がる」とはなかなか思えない状況ではありますよね。
平成25年以降、退職金が下がり続けてきた理由は「官民格差」です。
「公務員の退職金が民間企業よりも高すぎる!」と言うのが退職金減少の理由であるからには、民間企業の退職金が増えない限り公務員の退職金が増えることはないでしょう。
かと言って民間企業の退職金が増えるかと言えば…それも難しいでしょうね。ということは、公務員の退職金も増えるというのは考えにくく、現状維持できれば御の字というのが私の予測です。
より一層の自助努力が求められる時代
国としては「自分の老後は自助努力で!」という方向性であることは明白で、iDeCoやNISAを推奨しているのもその現れ。
国や組織が退職金や年金で老後の面倒を見てくれるという時代は遠い昔の話であり、これからはより一層自助努力が求められるでしょう。
大変な時代ではありますが、それはそれとして受け入れて、与えられた土俵の中で頑張っていくしかありません。将来のために「今何ができるか」を一人ひとりが考え、実行していくことが大切ですね。
日々の積み重ねが将来大きな大きな差になって出てくるでしょう。
さぁ、あなたは何をしていきますか?今できることはなんですか?一緒に今できることを一つ一つやっていきましょう!
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