団体生命保険と車両乗入れの関係についての考察
先程人身傷害保険にシッカリ加入していれば、団体生命保険に満口加入するかどうかは関係なくなるとお話しました。
ではなぜ「団体生命保険満口」の規則が存在してるのか。
それは人身傷害保険が、割と最近できた保険だからだと考えています。
人身傷害保険という保険ができたのは、今から20年ちょっと前の1998年頃です。
それまでは人身傷害保険のように実際の損害額を基準に保険金が支払われるのではなく、医療保険や傷害保険と同じような死亡したら1000万円、入院したら日額5,000円などの定額補償でした。
損害額が1億円あろうが2億円あろうが、それとは関係なく決まった額しか保険金は支払われません。
それでも、相手の過失が大きければ相手の対人対物から大部分は払ってもらえます。
しかし自分の過失割合が高かったり、最悪相手が無保険だったりすると、すぐに補償が不足するという事態が発生しうる状態だったのです。
つまり、昔はそういった自動車保険の弱点があったため、その弱点を「団体生命保険で補おう!」と考えたのが始まりだったのではないか。
そういった昭和〜平成初期の自動車保険の弱点を想定した規則が、人身傷害保険の登場によって弱点が克服された1998年以降にも残ってしまったのではないか、というのが私の考察です。
部隊として指導すべきことは
以上のことから、団体生命保険満口と車両乗入れが、自動車保険の歴史を大きく関係していたことがご理解いただけたのではないでしょうか。
もし駐屯地への車両乗入れの条件として「団体生命保険への満口加入」の規則が残っている駐屯地があれば、時代にあっていない規則なのですぐに変更しましょう。
もし部隊として指導するのであれば、指導すべきことは、
団体生命保険に満口加入しなさい!
ではなく、
人身傷害保険にシッカリ加入しなさい!
であるべきだと思います。人身傷害保険が登場した1998年以降の世界においては、自動車と団体生命保険をリンクさせる必要はありません。
繰り返しになりますが、現在においては人身傷害保険にシッカリと加入していれば、自動車事故における自分の補償は万全にできるのです。
今こそ自動車保険の知識をアップデートして、駐屯地の規則を変更しましょう!
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