ボーナス2年連続減!令和3年人事院勧告を解説

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こんにちは。家計防衛隊長 佐々木拓也です。

8月上旬の話にはなりますが、今年も人事院勧告が出ましたね。ニュース等でご覧になっている方もいらっしゃると思います。

しかし、今回の勧告が「自分にとってどれくらいの影響があるのか?」までは把握しきれていない方が多いと思いますので、その辺りを解説していきたいと思います。

目次

人事院勧告とは

具体的な内容に入る前に、「そもそも人事院勧告とは何か」というところに触れておきます。そもそもの部分が理解できていた方が、より楽しいですからね。

人事院勧告の説明については、時事通信の記事が分かりやすかったので引用します。

労働基本権が制約され、自身の給与改定に関与できない国家公務員に代わり、第三者機関の人事院が国会と内閣に給与の見直しを求める制度。官民の水準を等しくすることを基本とし、毎年、民間企業の給与を調査した上で、格差があれば、引き上げや引き下げなどを勧告する。給与改定と同時に休暇制度など公務員の人事管理に関する報告も行う。

時事通信社 ニュースワード「人事院勧告」8/10(火) 11:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/8c19278db5646e9a00108c38a18baff4aa1d2781

要約すると、国に直接文句を言えない公務員の代わりに、給与や人事制度の適正化を促してくれる組織が人事院。適正化のための具体的な内容が「人事院勧告」と言うイメージですね。1年に1回出ます。

人事院HP

引用にもあるように、基本的な考え方は「民間企業と同じ給与水準にする」ことなので、民間企業の業績が良い時は上がり、悪い時は下がるという傾向にあります。

という基礎知識を頭に入れた上で、今年の人事院勧告を確認してみましょう。

令和3年 人事院勧告の内容

今年の人事院勧告の大まかな内容は下記の通りです。

令和3年 給与勧告の骨子
https://www.jinji.go.jp/kankoku/r3/pdf/3kosshi_kyuuyo.pdf

色々と書いてありますが、結論はこうです。

  • 給与:改定なし
  • ボーナス:0.15月分の引き下げ

コロナ禍の影響で民間のボーナスも若干下がったということでしょうか。それに合わせて0.15月分の引き下げとなったようです。給与については今回は変化なしのようです。

問題は、ボーナス 0.15月分引き下げによって、

実際どれくらい下がるの?

という部分ですよね。次は実際にどれくらい下がるのかを試算してみます。

正確に言えば、人事院勧告は一般職の国家公務員に対するもので、特別職たる防衛省職員に直接適用されるものではありません。しかし、基本的には準用という形で適用されるのが通例なので、今回も準用されることを前提に話を進めます。

実際にどれくらい下がる?

いくつか例を上げて、ボーナス支給総額の推移を見ていきましょう。

ちなみに計算は、私がエクセルで作成したツールで行っているので正確性は保証しませんので、「だいたいこんな感じか」という概略のイメージで見て頂ければと思います。

営内 士の場合

試算条件

俸給:200,000円
扶養:なし
地域:なし
広域:なし
営外:なし
成績:B

上記の条件で試算してみると…

左からR2→R3冬→R4

R3夏(1.275月):444,000円 R3との差額
R3冬(1.125月):414,000円(△ 30,000円)
R4夏(1.200月):429,000円(△ 15,000円)

R3冬のボーナスが特に下がっているのは、R3夏の低下分を調整するために倍率が特に下がっているためですね。

R3夏と冬合わせて2.4月、割って1.2月となり勧告通りに帳尻が合うということになります。

営外者の場合

次に営外者の場合で試算してみます。

試算条件

俸給:350,000円
扶養:26,500円(奥さん、子2人扶養)
地域:なし
広域:なし
営外:6,030円
成績:B

上記の条件で試算してみると…

R3夏(1.275月):713,174円 R3との差額
R3冬(1.125月):663,295円(△ 49,879円)
R4夏(1.200月):688,234円(△ 24,940円)

幹部

次に幹部の場合で試算してみます。

試算条件

俸給:400,000円
扶養:26,500円(奥さん、子2人扶養)
地域:なし
広域:なし
営外:なし
成績:B

上記の条件で試算してみると…

R3夏(1.275月):921,788円 R3との差額
R3冬(1.125月):857,813円(△ 63,975円)
R4夏(1.200月):889,800円(△ 31,988円)

結論

というわけで年代別に計算をしてみましたが、結論としては…

R3冬+R4夏:5万円〜10万円の減額

ということになりそうです。コロナ不況の中、これくらいで済んで良かったと言うべきかどうか…

感じ方は人それぞれだと思います。しかし、多少の増減はあれどボーナスが確実に出るというのは実に幸せなことだと思います。

今回の人事院勧告では、ボーナスの減額くらいしか注目すべき事項はありませんでしたが、今後も追加情報があれば取り上げていきます。

今回の人事院勧告の資料が公式に公開されているので、興味がある方はぜひ御覧ください。

令和3年 給与勧告の骨子
令和3年 人事院勧告・報告について

給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント

動画版

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • もうすぐボーナス支給日なので参考にさせていただきました。

    1つ質問があるのですが、

    令和4年度夏の自衛隊のボーナスは、人事院勧告に記載されている1.20月分のボーナスから去年の冬に減額出来なかった0.15月が引かれるので、去年の冬と比較するとマイナス0.3月分と認識しているのですが、それで正しいでしょうか?

    もし正しいなら相当引かれてしまうので違うことを願っています…(泣)

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